等級認定結果に対しての異議申立の手続き等
ホーム > 等級認定結果に対しての異議申立の手続き等

等級認定結果に対しての異議申立の手続き等

自賠責保険等の後遺障害等級認定の審査

自賠責保険等の後遺障害等級認定の審査は、損害保険料率算出機構が行います(なお、JA共済連はJA共済の事案の審査を行っていましたが、今後、全都道府県において損害保険料率算出機構に移管されることとされております。これにより、後遺障害等級認定の審査は、損害保険料率算出機構が全て取り扱うことになります。なお、2017年4月1日現在の自賠責保険(共済)損害調査のしくみには、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査センターが損害調査を行う損害保険会社・協同組合一覧の中に、JA共済連が明記されています。)。後遺障害等級認定は、医療機関への審査側の照会に対する回答等も含めて、提出された資料により審査されます。

 

しかし、実際の状態や被害者自身の感覚から判断して、必ずしも下された結論が被害者にとって納得のできるものばかりではありません。そこで、被害者が審査結果に納得がいかない場合には、被害者から再度審査をするように請求する手続きをとることも認められています(異議申立と呼ばれる手続きです。以後、ここではこの手続きを「異議申立」と表記します)。また、異議申立以外にも、(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構に対して紛争処理申請をしたり、裁判所に判断をゆだねることもできます。

異議申立について

損害保険料率算出機構のディスクロージャー資料「自賠責保険(共済)損害調査のしくみ」のQ&Aにおいて、下記のとおり記載されています。

 

  • Q3 自賠責保険(共済)の調査結果や、支払金額に不服がある場合、どうしたらよいのですか。
  • A3 調査結果や支払われた保険金(共済金)または損害賠償額に不服がある場合には、損害保険会社等宛異議申立てを行うことができます。「異議申立て」に際しては、書面に「異議申立ての主旨」等を記入のうえ、主張を裏付ける新たな資料があれば添付していただくことになります。用紙は、損害保険会社等窓口に用意してあります。また、自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争処理申請を行うこともできます。

(以上「自賠責保険(共済)損害調査のしくみ」19頁のQ&Aより。なお、異議申立てとして表記ゆれが生じていますが、ここでは原文のまま「異議申立て」としています。)

 

このように、異議申立の手続きは、異議申立書と呼ばれる書面を提出することによって行います。例えば後遺障害等級認定の結果ついてであれば、後遺障害等級認定の結果に不服である云々と異議申立書に記載し提出します。その際、その主張を裏付ける追加資料(医師の所見を記したものや検査結果等の資料)などを添付するのが一般的といえます。ただし、追加資料がなければ異議申立が受け付けられないということではありません。

異議申立以外の手段について

(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構に対して、後遺障害の認定についての紛争処理申請をすることも可能です。自賠責等に対し異議申立をするのに回数制限はありませんが、この紛争処理申請は一発勝負です。この点には注意が必要です。よって、(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理申請は、くれぐれも慎重に行うべきです。

 

自賠責の後遺障害等級認定に不服の場合(または(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構への紛争処理に不服の場合にも)、後遺障害(後遺症)の評価について、裁判所に判断を委ねることもできますし、裁判所が自賠責の後遺障害認定と異なる判断をすることもあります。

 

しかし、裁判所でも争えるからといって自賠責の後遺障害等級認定を軽んじてよいというものではなく、高野真人編著「後遺障害等級認定と裁判実務―訴訟上の争点と実務の視点―」(新日本法規 2008年)9頁では基本的には自賠責後遺障害認定を前提として民事損害賠償実務が動くという評価をして差支えないだろうと説明されているように、自賠責の後遺障害等級認定の影響力は非常に大きなものとなっています。よって、自賠責の等級認定結果に不服である場合は、いきなり裁判所の判断を仰ぐのではなく、まずは自賠責に異議申立を行うことが賢明といえます。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
気になることがございましたら、お手数ではございますが、
バナー↓をクリックしてお問い合わせください。



事務所概要

松浦行政書士事務所
〒691-0001
島根県出雲市平田町604-2
TEL:0853-31-6899

対応地域

当事務所は、島根県の松江市・出雲市・安来市・雲南市など旧平田市近隣を主な活動範囲としておりますが、大田市・奥出雲町、鳥取県の米子市・境港市などの周辺地域からのご要望にもお応えできるよう努めております。また、これら以外の地域からのご相談も、できる限りお応えしていきたいと思います。

お知らせ

平成26年3月12日ホームページを公開しました。

松浦行政書士事務所
モバイルサイト