事故の前から既に後遺障害があった場合
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事故の前から既に後遺障害があった場合
当該事故の前から既に後遺障害があった場合で、自動車事故により同一部位について障害の程度を加重した場合には、加重した限度で障害補償が行われることになります。これを「加重」と呼びます。
加重の場合は、当該後遺障害の該当する等級の金額から、既にあった後遺障害の該当する等級の金額を控除した金額が支払われることになります。
既にあった後遺障害を差し引いて評価するということは、それ自体はある程度納得のいくものではあり、一見すると、「加重」という制度の存在には合理性がありそうに思えてきます。しかし、加重は問題のある制度として批判されることもあるのですが、なかなか厄介な存在です。たしかに一応の合理性があることは否定できないのですが、個々の事例においては、全て加重の適用に納得がいくものばかりかというと、そういうわけではありません。制度の存在意義はあるけれども、運用の仕方が問題とされる例は様々な場面でみられるものですが、加重もその例の一つといえましょう。個別の事案にあっては、加重の適用が本当に適切なのか、それぞれよく検討されるべきと思います。