NASVA 介護料の支給制限
NASVAの介護料について、その方が支給の対象となる場合でも、次に該当するときには、この介護料が支給できないこととされています。
1.自動車事故対策機構が設置した療護施設に入院したとき
2.法令に基づき重度の障害を持つ者を収容することを目的とした施設に入所したとき(特別養護老人ホーム、身体障害者療護施設、重度身体障害者更生援護施設など)
3.病院又は診療所に入院したとき(ただし、家族による介護の事実がある場合を除きます)
4.労働者災害補償保険法など他法令の規定による介護補償給付又は介護給付を受けたとき(国家公務員災害補償法、船員保険法など)
5.介護保険法の規定による介護給付を受けたとき
この中で問題が生じ注目を集めることになったのは、〝介護保険法の規定による介護給付を受けたとき”です。より具体的に言うと、NASVAの介護料を受給しつつ障害者総合支援法によるサービスを受けていた方が、介護保険の適用のために介護保険サービスを受けるようになった場合です。つまり、サービスの内容・機能において、障害福祉サービスに等しい介護保険サービスがある場合には基本的に介護保険サービスを優先して受けることになる、という行政の取り扱いがあるのですが、従来なら障害者総合支援法によるサービスを受けていたため問題なくNASVAの介護料を受給していたにも関わらず、65歳になり介護保険法の規定による介護給付を受けるようになった途端、NASVAの介護料を受けることができなくなってしまうという問題が生じます。NASVAの介護料を受け取りつつ、介護保険サービスを利用していた方に対しては、NSVA支給分につき返還訴訟が起こされたという話も聞いたことがあります。
障害総合支援法のサービスを受けていた人が、65歳に途端、介護保険のサービスに自動的に切り替えられるという、いわゆる65歳問題は、様々な問題が提起されてきましたが、NASVAの介護料の給付においても問題が生じるわけです。いわゆる65歳問題の一つとして、NASVAの介護料支給打ち切りが生じることは、制度設計上の大きな欠陥であるといえます。行政あるいはNASVAのいずれかが対処を施し、この問題が解決されることを望みます(あるいは、この記事をあげた段階で私が解決されていたことを知らなかったというのが、より望ましい状態かもしれません)。