自賠責の後遺障害別等級表の具体的な判断基準
自賠責の後遺障害別等級表に当てはまるか否かの具体的な基準として
実際に自賠責の後遺障害別等級表をご覧にいただければわかりますが、自賠責の後遺障害別等級表に記載される内容はあまり具体的なものではありません。よって、自賠責の後遺障害別等級表だけで等級認定の判断基準とすることは困難となります。このため、自賠責の後遺障害別等級表に当てはまるか否かの何らかの具体的な基準が必要になります。そこで、自賠責保険等の後遺障害等級認定は、自賠法第16条の3に基づき定められた支払基準により、原則として、労災補償の「障害認定基準」に準拠することとされています。いずれの障害に当てはまるのか、あるいは当てはまらないのかということは、労災補償の「障害認定基準」を確認することで、自賠責の後遺障害別等級表よりも(少しは)具体的な判断基準を得ることができます。
原則として、自賠責は労災補償の「障害認定基準」に準拠することとされていますが、露出面の醜状障害など、労災補償と自賠責との間で認定基準が異なるものがあります。また、等級認定の審査において参考とされる資料についても、異なる様式が用いられているものもあります。
労災と自賠責は制度を異とし、後遺障害を認定する機関が異なるということ
労災と自賠責は制度を異とし、後遺障害を認定する機関が異なります。同一人の同じ後遺症に対してでも、必ずしも労災補償と自賠責との認定結果が同一となるとは限りません。例えば異議申立手続きにおいて、自賠責保険等に対し、労災補償で認定されたのだから自賠責等でも認定されなければおかしい、とする主張は、なるほどそのとおりではないかと思える点もないわけではないです。しかし、それのみを主張するのであれば、言い方を変えれば、よその審査が○○であったのだから、あなたも同じように審査結果を出しなさいといって審査側に再考を求めることになります。このような主張は、審査をする側にしてみればこれまでの判断を覆すほどの理由にはならないと判断されるのも容易に想像できることなのです。このような異議申立は、先に下された認定を覆すほどの説得力には欠けると判断され、臨むような結果にはならないという傾向があります。